幸田露伴・著 『五重塔』 再読

sano-sano

2013年09月22日 01:19

SANO-SANOリビングカンパニーは 静岡県東部、中部を拠点とする、工務店機能を備えた住宅設計事務所です。
「自分の家は自分でつくる」。
セルフビルドによる、参加型家づくりを提案します。



『五重塔』を、7年ぶりに再読しました。



読み始めは、やっぱりというか、文語体の表現にとっつきにくさを感じつつ読み進めていくと…。

主人公の大工、のっそり十兵衛が、寺の上人様に五重塔を建てさせて欲しいと哀訴、師匠である川越源太との押し問答と決着…、次第に読み慣れ、物語に惹き込まれていきます。

そして、十兵衛の現場作業、受難、塔の完成、嵐のクライマックスへと、めくるめく話は展開していきます。


特に興味深いのが、十兵衛が傷を負った次の日でも、休まずに現場に行く場面。

十兵衛は日ごろ、「のっそり」と職人に陰口を言われつつも、現場をなんとか指揮している。

傷負いても、あえて仕事に出る姿勢によって、荒くれ職人連中をまとめ、現場を鼓舞し、塔の完成に漕ぎつける。

十兵衛は、自分が職人達にどう見られているか、その機微をよく理解していた。

この雰囲気は、私も体験的によく知っています。

最後は理屈ではない事が、あったりするのです。



わずか100ページの小説ですが、露伴の渾身の名作だと思います☆



セルフビルドな家づくり☆  sano-sanoリビングカンパニーのH.P.



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